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 越前の魚醤むかしばなし


これといって産業のなかった昔、それでも土地がら海のめぐみが豊富にあった時代。さばやいわしがたくさんとれて、へしこ(鯖やいわし、イカなどのぬか漬け)にするとき、とり除いた頭や腹わたなどのあらがかなりできました。それを桶に入れ、水は腹わたから出るので加えず、塩をきかして一夏越させると、よくわいてどろどろの魚醤ができます。これを塩辛といい、そのまま酒のさかなやごはんのおかずに食べる人もありましたが、そのどろどろの魚醤を布袋でこして、塩辛と魚醤油にわけました。魚醤油のほうは、調味料として、塩辛は、あわびの殻などに大根、ねぎなどをきざんで入れ、いろりの火で煮ておかずとして食べました。この塩辛を里行き(行商)のときに持って行くと、塩辛一升を白米一升と交換できたそうです。食生活が少しずつ変り、生活が比較的安定した今日、魚醤を使う時代から、醤油を使う時代に変わっていくのであります。

(一部 農文協刊 聞き書 福井の食事参照)


 

 
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